ネタ

久々のネタです。
第四話Bの完全版ー
第4話B 【大人は幸せなの?】
9月14日・高町家・早朝
なのは「うーーーーん…」
ユーノ「おはよう、なのはは早起きだね」
なのは「うん、おはようユーノくん。
    昨日はごめんね。ペット扱いしちゃって」
ユーノ「いいよ、僕も目立つわけにはいかないし」
なのは「そうなの?」
ユーノ「ああ、ええっと!」
ユーノ(どうしようか……いや、なのはには迷惑はかけられないし……)
なのは「やっぱりユーノくんの故郷にも魔法の国の掟だとかがあるの?」
ユーノ「あー…やっぱりかどうかは知らないけれど、掟はあるよ」
なのは「私が魔法を使えるようになったのを話しちゃいけない…とか?」
ユーノ「あ、うん、秘密だよ! それに、僕が話せるのも秘密!」
なのは「そうなんだぁ……。うん、わかったよ、ユーノくん」
ユーノ(ごめん、なのは…僕は君を……)
(高町家・食卓)
全員「いただきます!」
晶「ああ、こらレンそれは俺の焼き鮭だぞっっ!」
レン「あんたが先にうちの狙っとった味噌漬け全部喰うんが悪いんや!」
桃子「はいはい、二人とも、食事は静かに」
美由希「なのはー、あのフェレットはどうしてるの?」
なのは「ユーノくんはまだ寝てるみたいー」
恭也「ほう、あいつユーノっていうのか」
なのは「(どきっ)
    う、うん!」
美由希「へぇー、かわいい名前だねー」
晶「あ、そういえば師匠! 俺、こないだ昇段したんですよー」
恭也「ほう、がんばったな、晶」
晶「えへへへ」
美由希(うーん、恭ちゃんが言うとなんか渋みがあるんだよねぇ……爺くさいというか……)
レン「そんな明心館のホープは、この前後輩仕留められんかったなー」
晶「ぐ! レ、レンお前俺が気にしていることを……」
美由希「仕留められなかったってどういうこと? レンちゃん」
レン「いや、こないだ偶然見かけたんですけど、晶が正拳突きを男子にかましてましてなー」
晶「い、いっときますけど手加減はしてますよ! 俺は弱いものいじめなんかしてないから!」
恭也「ふむ、それで?」
晶「俺のクラスって渡り廊下すぐのところにあるじゃないですか、校門前の。
  で、二年側からしょっちゅう声が聞こえるんですよ」
桃子「声?」
レン「ここんとこの風中名物でしてな、新聞部の二人が追いかけっこしとるんですよ。
   部長が早退しようとする部員をおっかけまわして」
美由希「あはは……」
晶「で、昨日はちょっと俺も手伝ってやろうと思って軽く、そいつに一発いれたんですよ」
桃子「晶ちゃん、この前大人も含めた大会で3位入賞してたわよね……大丈夫だったのかしら、その子」
レン「ダメージもなかったように平然と逃げていっとりましたよー」
美由希「ううん……すごい子もいるんだねぇ……」
なのは「でも、ケンカはしちゃだめですよ」
晶「うう、ごめんなさい、なのちゃん…」
恭也「ふ〜む……
   (晶の拳を平然と受ける中学生か……)」
桃子「あらあら、そろそろ店を空けないと。じゃ、桃子さん、いってきまーす」
美由希・レン・晶・なのは「いってらっしゃーい」
恭也「さて、そろそろ俺も……」
?(忍)「恭也〜〜、今日二限でしょ? 一緒しよ〜」
恭也(がくっ)
晶「うわぁ、忍さん、朝から熱いアプローチだぁ」
レン「ほんまやねぇ」
美由希「ほら恭ちゃん、忍さん、待ってるよ」
恭也「……行ってくる」
美由希「さ、みんな、支度支度」
晶「あ、片付けは俺とレンに任せてください」
レン「ふふふ、皿洗い競争、今日こそうちが勝つ!」
晶「なんの、連勝記録を更新してやるぜ!」
美由希「じゃ、なのは、バスまで一緒しよっか♪」
なのは「うん♪」
(通学バス・車中)
ユーノ『なのは。聞こえる?』
なのは「え? ユーノくん?」
ユーノ「キュ〜」
ユーノ『念話だよ、なのは。心で話したいことを強く思ってくれれば伝わるから』
なのは『こ、こうかな?』
ユーノ『うん、初めてにしては上出来
    これからは人前ではこうして話すね』
なのは『うん、わかった』
ユーノ『改めて君に教えておくね。僕はユーノ、君たちの言うところの魔法の国からやってきたんだ。ところが生身でこちらにくるはもう地獄でね……。
    ようやくたどりつけたころには魔力もスッカラカンで、どうなるかと思ったよ』
なのは『あはは。
    そうだ、ユーノくん、昨日の出来事で聞きたいことがあったんだけど』
ユーノ『うん、なんだい?
    思いつくことをとりあえず言ってみて』
なのは『昨日の猫ちゃんたちはどうしてああなっちゃったの? ユーノくんが封印したイデアシードってなぁに? レイジングハート、あれからまた宝石に戻っちゃったけどこれでいいの?』
ユーノ『まずイデアシードから答えようか。
    イデアシードは昔研究されたもので、精神力を効率的にエネルギーに変換する目論見で作られた禁忌の宝石だ』
なのは『記憶を、エネルギーにしちゃうんだね?』
ユーノ『そう、イデアシードは半実体だから、物質をすりぬけて様々なところで待機する。そしてある程度なじんできたところで発動。周辺の誰か、あるいは持ち主の記憶を吸い取ってしまう』
なのは『昨日見た、猫さんの記憶……すごく大切な思い出だったよ』
ユーノ『うん、本人にとって強い思い出であるほどエネルギーが大きいからそういうものが引き出されるんだ。
    幸い、昨日はなのはが上手くやってくれたから間に合ったみたいだけどね』
なのは『うん』
ユーノ『イデアシードは内部にいわゆるお化けがつめられてて、持ち主か、その周囲にとりつくんだ。昨日の猫たちはそのお化けにとりつかれていたんだ』
なのは『だからあんなに襲ってきたんだ……。
    ユーノくん、イデアシードを封印すればお化けは消えるの?』
ユーノ『う、うん』
(私立聖祥女子・昼休み)
なのは『そうだ、ユーノくん、昨日私が使った魔法はなんだったの?』
ユーノ『第一段階の…つまり今のレイジングハートは祈願実現型、つまりなのはの願いを叶える魔法を使う。なのは、君が発動したのは精神融合という魔法だよ』
なのは『せいしん…ゆーごー?』
ユーノ『すごい高度な魔法なんだ、その代わり今のレイジングハートではあとは魔力弾くらいしか使える魔法がないけれどね』
なのは『そうだ、レイジングハート…』
レイジングハート「……」
ユーノ『今の状態は待機状態、レイジングハートの基本形態だから気にしないで。昨日の呪文を唱えればまた発動するよ』
なのは『え、ええ!? じゃぁまたあの呪文唱えないといけないの? わ、忘れちゃったよぉ…』
ユーノ『……あとでまた教えるね』
なのは『おねがい〜〜』
(風芽丘中学・廊下)
晶「……はて、今日は静かだな」
レン「……なんやぁ、おさる、愛しの人でもまっとるんかぁ〜?」
晶「……だ、だ、誰が愛しの人だ!」
レン「…いやいや、晶のことだから『自分の拳をお師匠以外で初めて受け止めたあの人にもう一度会いたい! 私はあの人に会いに行く!』とか思ってるのかなぁ〜と」
晶「…どこの女子高生格闘家だそれはー!」
千夏「ううーん……」
晶「あ、千夏、なぁ、昨日おっかけてたヤツは今日はいないのか?」
レン「やっぱり愛しの…」
晶「うるせぇっ!」
千夏「あ、晶先輩。勇気なら今日はお休みです、アイツってよく休むんですよ。転校前の学校もこんなかんじだったらしいです」
晶「ああ、そうなのか……」
レン「残念そうに愛しい彼の横顔を思い浮かべる城島晶なのだった」
晶「レ〜〜〜ン〜〜〜、お前とは去年以来久々に決着をつけなくてはいけないらしいなぁ……」
レン「お? ハンデのなくなったうちとやって勝てるつもりか〜?」
晶「放課後、校舎裏まで来いや…」
レン「ほ〜、ほ〜、ほ〜。ええやないか、負けっぱなしはうちのキャラとちゃうからなぁ。手加減せんでぇ」
晶「望むところだぁっ!」
千夏「あ、あはは……。
   あ、そうだ城島先輩って確か一昨年のテロ事件の関係者の方と知り合いでしたよね」
晶・レン「!!!」
千夏「あの事件に何やら裏の秘密結社が絡んでいるという情報がですね……」
レン「晶、放課後な」
晶「おう」
千夏「あ、あれ? お二人とも〜?」
レン・晶「……」
千夏(これは──ふふふ、なーんかあるわねぇー?)
千夏(ジャーナリストの血が騒ぐ、騒ぐわっ!!)
(私立聖祥女子・放課後)
なのは『ところでユーノくん、イデアシードって人にとりつく前に発見したりはできないの?』
ユーノ『ううん、難しいだろうね。イデアシードの中には夢魔がいるとかそんな噂もあるし、自分で移動することもできるみたいだから』
なのは『とりついてからじゃないと探せないのかぁ……』
(八束神社)
なのは「くーちゃーん」
久遠「くぅーん」
那美「あはは、なのはちゃん、元気ね。久遠も昨日から待ってたみたい」
なのは「昨日はくーちゃんを帰すのが遅くなってすいませんでした」
那美「ううん、気にしないで…とはちょっといえないかな。恭也くんも心配してたし、あまり遅くならないでね」
なのは「はい!
    えへへ、くーちゃん、いっくよー」
久遠「く〜ん」
なのは「合体、くーちゃん、らいどおーん!」
(ちゃきーん!)
那美「あら、リュックに久遠が」
なのは「えへへ、これならくーちゃんと一緒にいろんなとこにいけるから」
那美「それは、誰がつくってくれたの?」
なのは「レンさんが作ってくれたんですー」
那美「へぇ……」
(音)
ユーノ・なのは「──!」
なのは『ユーノくん、今の!』
ユーノ『どこかでイデアシードが発動したみたいだ!』
なのは「この感覚……あっち!」
那美「なのはちゃん、遊びにいくの?」
なのは「あ、はい、くーちゃんも連れていきますね!」
那美「遅くならないようにねー」
なのは「はーい!」
(さざなみ寮・居間)
(バタバタバタ)
耕介「おや? 仕事かい?」
薫「はい、耕介さん、いってきます!」
京子「ちゃっちゃと仕留めて戻ってくるんで夕飯よろしゅう!」
薫「きょ、京子さん、今日もこちらに泊まる気なんですか」
眼鏡の女性「うふふ……、まだ決着はついてないぜぇ……」
京子「この続きは今夜や……」
耕介「い、いつのまにか真雪さんが京子ちゃんとライバル関係に!」
薫「……ともあれ、行ってきます、耕介さん」
耕介「ああ、夕飯は任せておいて」
京子「ほなら、行くで!」
(風鳴商店街・ペットショップ「フレンズ」・裏口)
(ユーノ・なのは・久遠(大)展開)
なのは「このへんからだったけど……」
(犬猫ワニなど複数登場)
ユーノ「うわぁっ!?」
久遠「なのは……あれ!」
(マップにペットショップのお姉さん、出現)
お姉さん(美緒)「望ー、なんだかすごく眠いのだー」
少女?(望)「美緒ちゃん、美緒ちゃん、起きてってばぁ〜。ほら、ほら、皆が逃げちゃうよぉ」
お姉さん「望ー、後は任せたのだー……ぐー」
少女?「わ、私じゃ怖くて逃げた子たち捕まえられないよぅ!」
ユーノ『どうしよう、なのは、人が一緒だ』
なのは『うん。でも、知ってる人だよ』
なのは「どうしましたかー? 藤田さーん」
少女?「あ、高町さんとこのなのはちゃん」
お姉さん「ぐー」
少女?「美緒ちゃんと久しぶりにお話してたら、突然美緒ちゃんが眠くなったっていって…その間に、ペットたちは逃げちゃうし。困ってたんです」
ユーノ『なのは、知り合いなの?』
なのは『うん、若く見えるけど、あのひと、ドラッグストアふじたの店員さんだよ』
ユーノ『えええ?!』
なのは「わかりましたー、今この子たち捕まえますからー」
藤田さん「そ、そんな、危険ですよぉ」
ユーノ『なのは、確かに彼女がとりつかれたのは今さっきだろうから、時間はあるけど、危険だよ』
なのは『うん。でもこのままほっておくわけにはいかないもの』
なのは「くーちゃん、あの子たちを傷つけないようにつかまえられる?」
久遠「多分、大丈夫」
藤田さん「うう、すいません〜」
ユーノ『なのは、どうするの?』
なのは『どうしようか、ユーノくん。この子たちは操られてるのかな?』
ユーノ『ううん、効果範囲にあの人がいて、彼女が正気ってことは単純に逃げてるだけだと思うよ』
なのは『じゃぁ、みんなをペットショップに戻して、それからだね』
ユーノ『早くやったほうがいいね』
なのは「じゃ、私かくーちゃんが接触すればそのペットを捕獲したことになるんだね?」
久遠「うん、でもワニや大型犬は重いから持てるのは私だけ」
ユーノ(ううん、……どうしようか、僕もこの姿じゃなければ手伝えるけど)
なのは『ユーノくんは、……どうしよっか』
動物たち(キラーン)
ユーノ『…嫌な予感がするんだ。なのは。
    もしかして動物たち、僕のこと狙ってない?』
なのは「あははは…動物たちはユーノくんを追いかけるみたいだね」
ユーノ『ぎゃぁぁーー!』
(戦闘開始)
(自ターンに動物になのはが接触・それがワニか大型犬でなければ)
なのは「うんしょっ、つかまえたよー」
動物「(´・ω・`)」
(対象動物離脱)
(自ターンに動物に久遠が接触
久遠「つかまえた、逃げちゃ駄目」
動物「(´・ω・`)」
(対象動物離脱)
(敵ターン開始時、ユーノが5マス以内にいたら)
動物(キラーン)
ユーノ「きゅー、きゅーっ!」
ユーノ『うわぁぁ、僕は食べ物じゃないぞーー!』
(敵の思考はターゲット:ユーノに、それ以外ではマップ北端(商店街)へ移動)
(もし一匹でも動物が離脱したらゲームオーバー)
(動物を全て捕まえたら)
ユーノ『なのは、その子で最後だよ』
なのは「藤田さーん、全部捕まえましたよー」
藤田さん「あ、ありがとうございますー」
?「ギャルルルルゥ…」
久遠「! なのは!」
お姉さん「シギャー!」
ユーノ『しまった、もうとりついてる!』
藤田さん「きゃっ、美緒ちゃん、どうしたの?」
お姉さん「グルルルル!」
なのは「藤田さん、はなれてー!」
藤田さん「美緒ちゃんっ、ふざけてないで、ほら」
お姉さん「ふんぎゃー!」
ユーノ『なのは、早く封印をっ』
なのは「うんっ」
藤田さん「美緒ちゃん、どうしちゃったの!」
なのは「ふ、藤田さん、離れないと」
お姉さん「しぎゃー!」
(ぶんぶんと振り回す音)
藤田さん「きゃぁっ」
(衝撃音)
なのは「あっ、藤田さんっ」
お姉さん「きしゃぁぁぁっ」
久遠「なのは、危ないっ」
(美緒、なのはに高速移動)
ユーノ『は、速い! なのはーーっ!』
なのは「きゃぁぁっ!」
お姉さん「しゃぎゃーっ!」
(ぶんと振り回す音)
レイジングハート「……/my master, I save you.(大丈夫です、私が守ります)」
(美緒、爪で攻撃、なのは防御)(なのは、プロテクション発動)
なのは「あ、あれ?」
ユーノ(防御魔法が自動発動した? ……そんな、ありえない!)
お姉さん「ぐるるるるー!」
藤田さん「(がばっ)ダメだよ、美緒ちゃんっ!」
お姉さん「ぐるる・・・…にゃ」
ユーノ(動きが、止まった!)
ユーノ『い、今だなのは! レイジングハートを彼女の額に!』
なのは『うん!』
なのは「リリカル・マジカル! お姉さんから、出て行ってー!」
(戦闘終了・画面終了)
(記憶の中)
美緒(あたしは、昔、思ってたことがある)
美緒(幼)「こーすけー、あたしもお酒のみたいのだー」
耕介「ダメだ。大人になってからだ」
美緒(幼)「真雪ばっかりおいしそうなもの食べてずるいのだー」
眼鏡の女性「へへん、大人の特権ってやつだよ♪ くやしかったら大人になりな、バカ猫〜」
美緒(幼)「む〜〜」
美緒(幼)(大人ばっかりずるいのだ、大人はいっつも子供をさべつするのだ。あたしが大人だったら見返してやるのだ)
子供時代の藤田さん「めーわくかけちゃいけないよぅ、美緒ちゃ〜ん」
美緒(幼)「どうしてなのだ、大人はずるいのだ」
子供時代の藤田さん「あはは…、でも今すぐ大人になれるわけじゃないんだし……」
(次の日)
美緒「お?」
尻「お?」
胸「お?」
美緒「こーすけー、大人になったのだー」
耕介「なっ…!」
眼鏡の女性「ぬっ、88のC」
美緒「あははは、くすぐったいのだー」
耕介「真雪さん、まじめに胸揉んでる場合ですかっ」
美緒(あたしは、よくわからんけど、大人になっていた。これで、幸せになれると思ってた)
耕介「ちょ、ちょっとまってろ美緒! おーい、薫ーっ!ちょっと来てくれー!」
薫「どうされました、耕介さ……な!」
美緒「えへん」
ガタイのいいお兄さん「どうするかな、薫」
薫「このバカ猫のことは専門外ですが…本家に相談してみます」
美緒(あれ?)
少女(知佳)「どうしたの、お兄ちゃん…え?」
少年のような少女(みなみ)「朝からどうし…え」
眼鏡の女性「……さん、はい」
二人「「「えええええーーーー!?」」」
少女「ど、どうしようお兄ちゃん!」
少年のような少女「こ、耕介さん、耕介さん、これって何かの病気ですかっ、美緒ちゃん、どうしちゃったんですかっ!?」
美緒(騒がれてしまった、二人とも、すごく心配していた)
子供時代の藤田店長「美緒ちゃ……」
美緒「おー、望ー」
子供時代の藤田店長「はふぅっ」
美緒「の、望っ、どうしたのだっ、しっかりするのだっ」
美緒(あたしは、大人になんてなってなかった)
美緒(あたしは、身体は大きくなったけれど、心は、大人になってなかったんだ)
美緒(薫が言うには、しばらくすれば元に戻るということだった。あたしに反省するようにいって、薫は冷たく、でも心配そうな顔をしていた)
美緒「ねぇ、こーすけー」
耕介「ん。なんだー?」
美緒「あたしは、悪いことをしたのかなぁ?」
耕介「さぁなぁ……。美緒は悪いことをしたと思うか?」
美緒「みんなに、めーわくをかけてしまってるのだ。この身体じゃ、望には会えないし、遊びにはいけないし、みんなに驚かれるしさんざんなのだ」
耕介「そうか。なら早く戻れるようにがんばれ。俺は待つぞ」
美緒「実はもうすぐ戻れる気がするのだ」
耕介「そうなのか、よかったじゃないか」
美緒「だから、こーすけ、今度はちゃんと大人になるから。
   ……今だけ、大人の扱いしてほしいのだ」
耕介「ああ……、わかったよ」
美緒(夜が明けたころ、あたしは子供に戻ってた。)
美緒(幼)「こーすけ、あたしは大人になりたかったのだ。みんな、大人は楽しそうに生きてるから」
耕介「大人も楽しいことばかりじゃない、ってわかったろ?」
美緒(幼)「大人も大変なのだ。いきなり大きくなってあたしも大人の仲間入りかとおもったら違ったのだ」
美緒(幼)「あたしは、子供のまんま大人になってたのだ。」
美緒(大人になるのは、きちんと子供を経験して、それからなればいい)
美緒「あたしは、誰にも恥ずかしくない大人になる…絶対に」
(風鳴商店街・ペットショップ「フレンズ」・裏口)
なのは「……ん……」
ユーノ「あ、起きたねなのは」
なのは「ユ、ユーノくんっ」
ユーノ「…なのは?」
お姉さん「んー…騒がしいー。おちおち寝てもいられないー」
藤田さん「美緒ちゃん、大丈夫? もうおかしくない?」
お姉さん「んー……特に異常なしなのだ。きっちり寝たから楽になったのだ」
藤田さん「よかったぁ……」
お姉さん「ん? なにかあったの?」
なのは「なんでもないですなんでもないですっ。それじゃ、失礼しまーす」
久遠「くーん」
藤田さん「あ、なのはちゃん」
(走る音)
お姉さん「むー、望、今久しぶりの夢を見てたのだ」
藤田さん「夢どころじゃないよぅ、ほら、お客さんもくるし」
お姉さん「望、あたしは、あの頃のあたしよりは少し大人になれたかな?」
藤田さん「……美緒ちゃん?」
藤田さん「美緒ちゃんは、あのころよりもうずっと大人だよ」
お姉さん「ありがとね、望」
お姉さん「さぁて、仕事仕事ー」
藤田さん「あ、私もお店に戻らないとっ」
お姉さん「にゃはは、望がお仕事さぼったのだ」
藤田さん「もぅ!」
(夜・高町家・なのはの部屋)
なのは「……」
美緒(大人になるには、きちんと子供を経験してからなればいい)
なのは「……それって、どういうことだろ……」
ユーノ「? なのは、どうかした?」
なのは「あ、ううんっ、なんでもないなんでもない。もう寝るねっ。
    おやすみ、ユーノくん」
ユーノ「おやすみ、なのは」
ユーノ(……)
レイジングハート「……」
ユーノ(確かに、あの時、レイジングハートは防御魔法を使っていた…
    この前のバインドと同じだ)
ユーノ(インテリジェントデバイスだけど、レイジングハートはまだ第一段階起動、ほぼ自律していない。
    なのに、なのはの危機にレイジングハートはオートで魔法を使っていた。
    ……レイジングハートに何かあるのか、それとも…)
なのは「スゥ……」
ユーノ(……なのはに、何か秘密があるのか……)
(夜・さざなみ寮)
薫「……それで、今回もこうなってるわけですか……」
耕介「──すまない」
京子「ふふふ……あんたぁ、やりますのぅ……ひっく」
眼鏡の女性「あたしについてこれる人間が……ウィ……いるとはね……ひっく」
薫「……サイポリスの教育ってどうなっとるんや…」
耕介「神咲とはまた別の対妖怪組織、だったっけ」
薫「そうです。うちら神咲は一応これを生業としとるわけですが、なにしろ一族の人間だけでは数が限られますし、そんなときに増援を頼んだりする関係になります。」
薫「今回は逆に、相手に力があることや神出鬼没らしいという理由から彼女とうちという協力体制をとっとるわけですが」
耕介「じゃぁ、彼女の霊力も強いんだ?」
薫「…そうですね、耕介さんの全盛期とほぼ同等…。彼女なら霊剣の類も十分に扱えると思います。放出系としては葉弓に劣るとは思いますがかなりの使い手です」
京子「うちはー、神咲の家になんてー、負けへんでー、ひっく」
眼鏡の女性「そうだ、そうだ、負けてたまっかよ。なぁー、京子ー、ウィ」
耕介「……そういえば、神和住さんって名前、神咲に似てるけれど」
薫「かなり遠縁の親戚になるみたいです。ただ、霊能力が高いのは彼女くらいですな」
耕介「先祖がえり、ってわけね」
薫「ええ」
京子「うっぷ……くぅ…あかん…」
眼鏡の女性「ふははー…ついに限界かー、京子ー」
京子「こ、こんなところで倒れたらあかん……うちが倒れたら神和住の名折れや…! ぐびっ
   はぁはぁ……、ま、まだやれるで…」
眼鏡の女性「残念だったなー!」
京子「そ、それは鬼殺し…っ! ま、まだそんなもんが……」
眼鏡の女性「どうだ、まだあたしはいけるぜぇ〜」
京子「む、無念……」
薫「……(ほんまに役に立つんやろか、この女)」
耕介「はいはい、それじゃ真雪さん、寝床にいきましょうね」
眼鏡の女性「……あばよ、神和住、おまえもまさしく強敵(とも)だった……」
耕介「はいはい」
薫「そういえば……、耕介さん」
耕介「ん?」
薫「──いえ。なんでもありません」
耕介「ん。それじゃ、俺は真雪さんを二階につれてくから、片付けお願いできるかな」
薫「わかりました」
薫(……耕介さんを巻き込むわけにはいかない、か。
  ──霊剣、修羅王斬・葛丸、誰に託すべきなのか見極めんとあかんね)