アイザック=アシモフ

偉大だなぁとかなんとか。
ただで停滞空間(短編集)を手に入れたんで読んでます。
…………ぐぁ
くそぅ、発想に追いつけない俺がいる、目指せ常識破壊小説。

そんなわけで読んだものの感想を
停滞空間:
 ある時空点と並行に動き、エネルギーの過不足のない場<停滞空間>。この別の宇宙によって4万年前から連れて来られたネアンデルタール人の子供ティモシィ。最初は異常な姿に恐れをなした世話係のミス・フェローズも段々と惜しみない愛情を注ぐようになり……

 表題作なので最後にあったにも関わらず最初に読む。
 SFなのは停滞空間という設定くらい、でもやっぱりSFという土台ですべてができてる、発想がすごいや。
 結末はわかりきってました。けど、これ以外に結末もありえるわけがなく。
 歴史を改変しそうで改変しない設定はよいとして、後半のほうの停滞空間はいいのか? ばっちり歴史に干渉しちゃう気がするんだが。

プロフェッション:
 地球から宇宙へ広がりを続ける人類は、もはや<テープ>という教育媒体によってある特定の職業だけを修める登録制度によって無駄のない生活を続けていた。そして成人となり何の職業につくか決まる日少年ジョージは希望をもってその日を迎えた。しかし、彼は何の職業にもつけないとされ<ハウス>へと送られる…… 
 最初うわぁ、と思いながら読んだ話。ところでギミックというか、社会の仕組みに気づかなかった俺は読解力が根本から足りないと思います。あ、ハッピーエンドですのでお楽しみ下さい。

ナンバー計画:
 遥か未来、コンピュータがコンピュータを作るようになり原理も知らぬまま宇宙船が出来上がる時代。最高のコンピュータプログラマ、ジュアンはある日特異な才能をもつオーブという男を高官たちに紹介する。そして高官たちの前でオーブが発表したソレが、戦争の加速へと向かっていく……

 何かが抜け落ちた未来、ってのは面白い。そういうのは本当に発想の問題だけで、それを上手く使いこなした一作。

世界のあらゆる悩み:
 万能コンピュータ<マルチヴァク>によってあらゆる悩みが解決し、あらゆる犯罪が抑制される時代。しかし、<マルチヴァク>はある犯罪の可能性を指摘し、それをみた<マルチヴァク>専属科学者たちは大慌てになってこの犯罪を抑えようとする……

 面白そうだったんで停滞空間のあとに読んだ話。オチは納得。しかしこのコンピュータは優秀だなぁ、プライバシを守ってくれてるってのがまた。……いきなり逮捕されたらすんげー嫌だけどさ。
  
 全体的に読んでて面白いです。時が経ってもよいものだと思えるSF短編集。古本屋なんかで見つけたら手にとって見てはどうでしょう