ネタ

また昨日と同系統のネタです。
SSなどではございませんよ。
SRCシナリオ・BRAVEBRAZE
7話A・炎の中で
(鎌倉の談判から戻ってくる勇気・望美・譲・九郎・ブレンヒルト・白龍)
望美「結局、頼朝さんにはとりあってもらえなかったね」
九郎「……兄上」
譲「とにかく今は京都に戻り……! なんだ、この匂い……」
ブレンヒルト「この嫌な匂い……勇気、望美、急ぐわよ」
勇気「ああ!」
望美「え?どうしたの? これって…火の匂い?」
白龍「望美、急ごう。
   ──京が燃えている」
望美「そんな?!」
(建築物が焼け落ち、怨霊が蔓延する京にたどりつく)
九郎「これは、どういうことだ!」
譲「町じゅう怨霊だらけだ。……とにかく、退治しないと!」
ブレンヒルト「有川弟、あなたバカ? 望美を悲しませないようにいってるんだとしても愚かよ。
  これだけの怨霊、どうやって退治しきれるというの? こちらの体力が尽きるのが関の山よ」
望美「…と、とにかく……梶原屋敷に行こう。きっとあそこで朔が待ってる」
怨霊「キシャァァァ!」
勇気「ブレンヒルト、お前と白龍で行ってくれ、とにかく今は急いで救け出さないと」
ブレンヒルト「魔女に命令とはいい度胸ね、鬼の眷属。箒が燃えたらどうしてくれるのかしら」
勇気「そんなこといってる場合かって!」
九郎「一刻を争うんだ!」
白龍「神子、どうしようか」
望美「とにかく急ごう、……それしか、言えない」
白龍「うん、わかった」
(2ターン目イベント)
(望美の横に敵出現)
怨霊「キシャァァッ!」
望美「きゃぁっ!」
譲「先輩、危ない!」
(敵の横にヒノエ、敦盛登場)
ヒノエ「俺の姫君にその汚い指近づけるの、やめてくれないかな。
    あんたじゃ、姫にはつりあわねぇ…!」
怨霊「ヒャギィィッ!」
(怨霊討伐)
望美「ヒノエさん、敦盛くん!」
九郎「無事だったのか」
敦盛「神子! よかった無事で…」
ヒノエ「喜んでる暇はないぜ、敦盛。まだ怨霊はわんさかいるんだ」
敦盛「はい。神子、私たちも手伝います」
望美「うん!」
(誰かが梶原屋敷到達、朔登場)
朔「よかった……望美たち、来てくれたのね」
望美「朔? 朔なの? 無事なのね?」
朔「ええ。私は大丈夫、ただ兄上たちが戻られないの」
九郎「景時と弁慶が……」
勇気「何はともあれ、こっちと合流してくれないか! 今は人手が足りない!」
朔「ええ。私も手伝うわ。」
(敵全滅時)
勇気「ようやく数が減ってきたな…」
ブレンヒルト「符の数もそろそろ心もとなくなってきたわね…嫌なタイミングだわ」
九郎「とにかく景時たちを探そう」
譲「先輩、無事ですか?」
望美「う、うん、なんとか……」
ヒノエ「望美、無理をしないほうがいいぜ? 姫君の笑顔が俺たちの元気の源だからね」
望美「もぅ……ヒノエくんってば!」
朔「けれど、兄上はどうされたのかしら……」
?「まったく怨霊たちは、使い走りの一つもできないのですか」
九郎「この声は……!」
白龍「この陰気、神子、平家が来るよ」
望美「誰なの、あなたは!」
惟盛「全く、やってくれましたね、源氏の神子、せっかく増やした怨霊がこれでは元の木阿弥ではありませんか」
(惟盛、怨霊出現)
敦盛「惟盛どの…」
惟盛「おや、誰かと思えば裏切り者ではないですか。まったく平家の面汚しが……」
敦盛「う……」
惟盛「ああ、それにしても久しぶりに楽しかったですね、軍奉行たちの死に行く様は…」
朔「──!」
望美「え? 今、なんて?」
譲「先輩、聞いてはいけない!」
惟盛「では、言い直して差し上げましょう。
   軍奉行・梶原景時と、軍師・武蔵坊弁慶の死に様はそれはもう見せてあげたいくらい心よいものでしたと!」
望美「!!!!」
九郎「なんだと!」
勇気「貴様ぁあっ!」
ブレンヒルト「……くっ」
黒猫「ブレンヒルト?」
ブレンヒルト「……大丈夫よ、貴方が盾がわりになってくれるみたいだから」
黒猫「うわぁぁーー、ヤブヘビーー!」(ブレンヒルトに小型シールド=黒猫追加)
白龍「……神子を悲しませるものは、許さない」
惟盛「許してもらう必要などありません。平家にあらぬものは人にあらず。さぁ、貴方達も散りなさい」
敦盛「……惟盛殿…!」
(惟盛と戦闘開始)
(戦闘時イベント)
望美「私は、あなたを許せない!」
惟盛「フン、あなたのせいで私は無様な姿を晒したのです。自業自得ですよ」
望美「酷い! そんな言い方ってないよ! 平家が怨霊を使わなければ回避できたはずなのに!」
惟盛「何を言ってるのですか、怨霊によって無様に死んでいく兵の姿……極上の光景です」
望美「──!」
(戦闘時イベント)
九郎「貴様!よくも景時と弁慶を!」
惟盛「源氏の小倅ごときに、私が討てますかな!」
九郎「貴様を討てなければ、あの世の弁慶たちに申し開きが立たん! 覚悟しろ! 平惟盛!」
(戦闘時イベント)
譲「景時さんたちを、よくも!」
惟盛「そんな弓ごときで私を討てるとでも? やっておしまいなさい、怨霊ども!」
(戦闘時イベント)
勇気「この京で、一体何人が平和な暮らしをしていたと思ってるんだ!」
惟盛「知ったことではありません。私たち平家の都で暮らすダニのような民衆など」
勇気「お前は、絶対にやってはいけないことをしたんだ! その魂、地獄の閻魔にあって反省しろ!」
惟盛「やれるものならやってごらんなさい」
(戦闘時イベント)
ブレンヒルト「撃つわよ」
惟盛「(砲撃音)……な、な、な」
ブレンヒルト「かわすなんていい度胸ね、むごたらしく死にたいのね?」
惟盛「なんと野蛮な鬼女か…」
ブレンヒルト「それは私が向こうに戻ったら風見に伝えておくわ。大変ね、彼女なら地獄の果てまで殴りにくるわよ。
 ──祈る間もなく死になさい。貴方が殺した二人のために。」
(戦闘時イベント)
ヒノエ「花は愛でるものだって知ってるかい?」
惟盛「血の花の美しさ、あなたにわかるものですか」
ヒノエ「ゲスの血なんざ見たくもねぇんだよ。雅の花(ほのお)に囲まれて余すことなく滅んでこい。
  姫を泣かし、アイツを殺したお前への怒りは、てめぇをいくら殺しても殺し足りねぇ」
(戦闘時イベント)
敦盛「惟盛殿、あなたは本当に変わってしまわれた……」
惟盛「バケモノであるあなたに言われる筋合いなどありません。ここで惨たらしく踊るがいいでしょう」
敦盛「私は、バケモノだ。だが、貴方は心がバケモノになってしまわれた。
   ならば、せめて私が貴方を倒します。かつての貴方もそれを望まれるでしょう」
惟盛「戯言を!」
敦盛「あなたの戯れは! 既に遊びではない! 血肉を食らうことを雅とするなど、かつての貴方が一番嫌われていたことではないですか!」
(戦闘時イベント)
朔「──貴方は、何故笑えるの?」
惟盛「楽しいからですよ」
朔「……兄上は、言っていたわ、泣いてもどうにもならないから笑うのだと。
  けれど、笑えるわけないわ、こんな絶望……
  あの人を失い、今兄上を失って……どうして私が笑えるというの」
惟盛「ならば、泣き叫んで死に、私を楽しませなさい」
朔「誰が、あなたなんかを楽しませるものですか!
  平惟盛、覚悟を!」
惟盛「ははっ、黒龍もなき黒龍の神子など、誰が恐れるものですか。死になさい!」
(惟盛討伐時イベント)
惟盛「ば、ばかな……私が……敗れるなど……」
九郎「……望美、浄化を」
望美「……はい。」
朔「……めぐれ、天の声」
望美「ひびけ、地のこ……」
?「させられんな……」
平知盛、還内府、清盛出現)
望美「! 貴方は!」
知盛「よう……また会えたな、神子」
惟盛「と、知盛! お祖父様! お助けを!」
清盛「おお、惟盛、無事でよかったのぅ。心配はいらんぞ、この祖父が助けに来たからのぉ」
九郎「あいつが……清盛だって!?」
ブレンヒルト「長寿の一族でもないわりにずいぶんと若いわね」
白龍「…懐かしい気を感じる。黒龍の気」
朔「え?」
清盛「ほほぅ、そなたが白龍か、ならばわかるであろう? この逆鱗の力が!」
譲「あれは…! 逆鱗!?」
ヒノエ「色が黒い……黒龍の逆鱗ってやつか」
清盛「ははは、この黒龍の逆鱗ある限り、我の力は無限! 我が一族は永遠よ!」
朔「黒龍……なぜあなたがそれを」
清盛「ふん、そなたが黒龍の神子か。知れたことよ。
   ヤツを呪い、呪縛してこのような姿に変えたのは我よ」
望美「なんですって!?」
清盛「このような姿で力だけを我に与えてくれるが、意思も残っておるぞ。
   おお、黒龍のやつめ、嘆いておるわ、はっはっは」
ブレンヒルト「平家には揃いも揃って下衆しかいないのね。呆れるわ」
清盛「……そこな鬼娘。今なんといった」
ブレンヒルト「己を怨霊にまでしてのさばり、一族郎党の身をおちぶれさせ、それを永遠と呼ぶ下衆野郎といったのよ。聞こえなかったかしら」
清盛「フン、かつて京を苦しめた鬼がよく言うわ」
黒猫「ブレンヒルト、あんなこといってるけどいいの?」
ブレンヒルト「言葉が通じないバカに何言っても無駄よ。……それに、あの逆鱗の力は本物よ。……足が震えてるわ」
知盛「さて、源氏の神子。お手合わせ願おうか」
望美「なによ!」
惟盛「知盛、戯れる必要などない! やってしまえぃ!」
清盛「待て待て、知盛の望みじゃ。よいではないか」
知盛「宇治川と、福原……あれから三度目。お前と剣をあわせるの、楽しみにまってたんだぜ……さぁ、踊ろうぜ、戦神子どの」
望美「私が、勝ったら、ここから出て行って!」
知盛「いいぜ。お望みとあらばな……」
(望美、知盛、交錯。)(倒れる望美)
望美「……が、は…」
譲「せ、先輩!」
朔「望美!」
白龍「神子!」
知盛「……つまらん、なんだ、俺の思い違いか……」
清盛「源氏の神子は知盛の剣と打ち合えると聴いておったが……なんじゃ、その程度か」
勇気「みんな、梶原屋敷まで! 望美を、頼む!」
ヒノエ「おいおい……」
敦盛「鬼塚殿…」
九郎「勇気!無茶だ!」
勇気「ここは俺が抑える! 早く!」
ブレンヒルト「わかったわ、朔、譲、早く行きましょう!」
望美「……鬼…づか…くん」
勇気「心配するな。……俺は悪霊退治の専門家、サイポリスの鬼塚勇気だぜ?」
(勇気残して味方全員撤退)
清盛「ほぅ……おぬし、物の怪か」
知盛「なんだ…今度はお前がやるのか?」
勇気「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前!!」(勇気⇒勇気(鬼))
知盛「ほぅ……これはなかなか」
勇気(鬼)「地獄の門番たる鬼の力、見せてやる!」
勇気(望美、お前はこの世界にとって大事なヤツだ……死ぬなよな)
(場面変更)
(爆発音)
ブレンヒルト「治療符を、ありったけつかったわ。すぐ動けるようになるはずよ」
朔「私も、少しだけど癒しの術をかけたから」
望美「うん、ブレンヒルトさん、朔、ありがとう」
九郎「……妙だな」
敦盛「九郎殿? ヒノエ?」
ヒノエ「他の屋敷が燃えてて……この屋敷だけ今もまだ燃えてない……
    やばい、罠だ!」
白龍「え? どういうこと?」
ヒノエ「火攻めだよ! 早く出るんだ!」(炎の音)
朔「きゃぁっ! 屋敷に火が!」
ヒノエ「遅かったか! くそっ、譲、敦盛!それから九朗! とりあえず望美だけでも脱出路を確保するぞ!」
譲「ええ!」
敦盛「神子どの、少しの辛抱だ」
九郎「討ってでるしかあるまい!」
望美「敦盛くん! 譲くん! ヒノエさん! 九郎さん!」(走る音)
黒猫「ブレンヒルト、水を!」
ブンレヒルト「……紙に水を書いて火にはれとでも? ……無駄よそんなの。それに今符を使い尽くしてしまったもの」
黒猫「わぁーー、肝心なときに役に立たない魔女ーーーっ  って、お尻はっ、お尻はぁぁ」
朔「……望美、白龍、あなたはここにいて。ブレンヒルト、とにかく屋敷が燃え落ちないように水を」
ブレンヒルト「…それくらいしかできないわね」
望美「ブレンヒルトさん……朔……」
(数分経過、燃え広がる炎、目を覚ます望美)
望美「……白龍?」
白龍「神子、起きた? よかった。傷はすっかり癒えたみたいだね」
望美「…!白龍! あなた、熱い!」
白龍「大丈夫、これくらいの炎で私は死なない。神子が危険だから、神子におちてきた土砂をかばっただけ」
望美「朔は! ブレンヒルトさんは! 鬼塚くんは! 九朗さんに、譲くんや敦盛さん、ヒノエくんたちは!」
白龍「…まだ、戻って来てないよ」
望美「……そんな」
望美(──私のせいだ。
   白龍の神子だなんてよばれて、浄化ができたって……私はまだ守られてばかりいる。
   ……嫌だ、こんなの、嫌だ)
白龍「神子」
望美「私、嫌だよ、こんなの、こんな結末、嫌だよ!」
白龍「うん、わかった。
   だから神子、貴方だけでも元の世界へ」
望美「え?」
(回想)
白龍「私の、この逆鱗を使えば……神子たちは元の世界に戻れるよ」
勇気「そうなのか?」
ブレンヒルト「なら、すぐ帰してもらえるとありがたいのだけど」
白龍「神子も帰りたい?」
望美「それは………帰れるなら」
白龍「ん、それが神子の願いなら
   〜〜〜!」
朔「だめ、望美、やめさせて! 逆鱗は龍の力の源! それをとったら白龍は消えてしまうのよ!」
望美「ええ! だ、だめ!そんなのだめ!」
白龍「そう、神子が望むなら」
(回想終わり)
望美「だ、ダメ!ダメだよ、逆鱗を使うなんて!」
白龍「神子、貴方だけでも……」
望美「……そんな、こんな……こんなのって……!」
(白龍塚の前、ぽつんと座り込んでいる望美)
望美「……私……帰ってきたんだ……」
望美「みんなを……置いて……」
望美「……やだ、こんなの、やだ……」
望美「白龍、九郎さん、将臣くん、譲くん、景時さん、敦盛くん、ヒノエくん、先生、弁慶さん……」
望美「朔……ブレンヒルトさん………鬼塚くん……」
望美「……嫌、だよ、こんなの」
(望美の手にもった逆鱗が煌く)
望美「白龍の逆鱗……」
白龍の逆鱗は時空を越える力をもっている──
望美「……行こう」
望美「こんな結末じゃなくて」
望美「あの人と笑いあえる結末にするために」
望美「私は──もう一度、時空を超える!」